2008年10月6日月曜日

「カタリココ feat.ECD」

【対談、朗読】
出演:大竹昭子(ナビゲーター) 、ECD

大竹昭子さんが毎月行っている朗読とトークのイベント「カタリココ」のゲストがECDさんということで、これは行かねばと。

朗読は『ECDIARY』と『いるべき場所』からそれぞれ少しずつ、最後に最後にベケットの散文詩。あと大竹さんは自著からニューヨークのハーレムについて書いた箇所を読む。

大竹さんはヒップホップについてはよく知らない(ずっと「ヒップポップ」って言ってたくらい)ようなのだけれど、ちょうどヒップホップ黎明期にニューヨークに住んでリアルタイムで感じていたものがあったんだろう、いろいろと面白い話が聞けた。以下、個人的に印象に残った話を箇条書きに。


・日本語でかっこよくラップするための試行錯誤が進むにつれ、日本語が壊れていくという現象が起こった。韻を踏む必要性から「言いたいこと」とは違う言葉を使うことが必要になってくる。これが「言葉が意味に奉仕しない」状態を生むので逆に面白い

・昔はレコードが貴重品で大変丁寧に扱っていた。これはアメリカでも白人の家庭では同様。しかし黒人の家庭にはそもそもレコードプレイヤーとかレコードなんてものはなかった。で、白人が捨てたレコードやプレイヤーで遊んでるうちにスクラッチとかが生まれたのではないか(レコードが貴重という感覚がもともとない)→物を粗末に扱ったり、意図されていたのとは違う使い方をすることで生まれるものがある。→マイクも昔は貴重品で、みんな直立不動で歌っていた。初めてマイクを掴んだのがフランク・シナトラだったらしい

・新宿の地下道を歩いていたら職質にあった。最初は「拒否します」と言ったのだが結局仕事に遅刻しそうになったので荷物を見せることに。彼らは大声を出されて注目を集めるのを大変嫌がるようなので、大声で「職質やめて!」(という曲)を連呼した。いざという時に自分にできる数少ない抵抗の手段が「大声で言葉を出す」ということだった

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